ハチの毒はとても恐ろしいです。刺された痛みだけでなく、刺された後にさらにひどい痛みが来るのはハチの毒のせいであるという事実は意外と知られていません。しかも命に関わるかもしれないとなれば、なおさら無知でいることはできませんよね。
目次
ハチの毒はこんなにキケン
刺すハチ、刺さないハチ
意外かもしれませんが、ハチには刺すハチと刺さないハチがいます。刺すハチは細腰亜目と言ってミツバチやスズメバチ、アシナガバチ等が該当します。ハチの針は産卵管が変化したものであり、刺さないハチは産卵管として使用するだけで毒を含んだり人間に攻撃したりすることはありません。
一方で刺すハチの針も、産卵管が変化したものなのでオスに針は備わっていません。ミツバチの針には返しが付いていて、一度刺すと内臓ごと千切れてしまいますが、アシナガバチやスズメバチの針は何度でも刺すことができます。
ハチの毒成分
毒の成分はハチによって異なります。ハチ毒は大きく分けて4つの成分からなり、それぞれ異なる作用を及ぼします。
- アミン類…ヒスタミン、セロトニンなど。痛み・痒みの原因となる。
- 低分子ペプチド類…ハチ毒キニン、メリチンなど。痛み・赤血球の破壊・血圧低下・アレルギーの原因となる。
- 酵素類…ホスパリーゼA・プロテアーゼなど。組織障害・赤血球の破壊・アレルギー症状の原因となる。
- 非酵素系神経毒…マンダラトキシン。神経系に作用する。
体内にある毒の量が一番多いのがスズメバチですが、毒の強さではセイヨウミツバチが最も強いと言われています。
アナフィラキシーショックをご存知ですか?
アナフィラキシーショックとは
アナフィラキシーショックとは、ハチに刺されることにより血圧低下、呼吸困難、意識障害などのショック状態に陥ることを言います。最悪の場合死に至ることもあり、大変危険を伴います。
アナフィラキシーショックは2度目以降に刺された場合に起こると思われがちですが、実際は初めて刺された場合でもアナフィラキシーショックは起こり得ますし、何度も刺されても起こらない人もいます。
アナフィラキシーショックを起こしたら
アナフィラキシーショックが起こる場合、ハチ毒に冒されてから10分から15分ほどで発症します。ただしアナフィラキシーショックに陥っても、適切な処置を行えば最悪の事態にならずに済むでしょう。
アナフィラキシーショックを起こした場合、早めの処置が求められます。
- エピペンがある場合は注射する。
- 救急車を呼ぶ(助けを呼ぶ)。
- 救急車が来るまで足を15~30cmほど高くし、嘔吐してもいいように顔を横に向けておく。
もしもの時のポイズンリムーバー
ポイズンリムーバーとは
ポイズンリムーバーはハチやブヨ、蚊などに刺されたとき、またはムカデなどに噛まれたときに毒や毒針を排出することができる救急用具のことを言います。速やかに毒や毒針を排出することでその後の被害を軽減することができます。刺された後、なるべく早いうちに吸い出すことで被害がより軽く済みます。ただしあくまでも応急処置に過ぎないため、体に異変が起きた場合は速やかに医療機関を受診しましょう。
また口で毒を吸い出すと、口の中の粘膜から吸収される恐れがあるので絶対にやめましょう。
ポイズンリムーバーの使い方
ポイズンリムーバーを刺された箇所に押し当てて吸い出すだけなので使い方はとても簡単です。
注意点としては、血の巡りがよくなると毒素が体を回りやすくなってしまうため、刺された後は動き回ったりせず、安静にしましょう。
またポイズンリムーバーを使い終わった後は患部を水で洗い流し、消毒して絆創膏を張っておきます。ポイズンリムーバーは決して使いまわしたりせず、使うたびに捨てるようにしましょう。
まとめ
ハチの毒についてまとめてみました。
特にアナフィラキシーショックは命に関わることもあるため、ある程度の知識は蓄えておいた方がよいですね。ポイズンリムーバーは1つ数百円~購入できるので、1つは常備するようにすると安心です。